長時間のデスクワークやパソコン作業で腰が痛くなる――これは現代人の多くが経験する症状です。
「腰が張るから腰を揉む」「ストレッチをしてもすぐ戻る」という方も多いですが、実はデスクワーク型腰痛の原因のひとつは腰そのものではなく股関節の動きの低下にあります。
今回は、なぜ股関節の動きが腰痛に直結するのか詳しく解説します。
座り姿勢が腰に与える影響
座っているときの姿勢は、股関節が常に曲がっている状態です。
長時間座っている姿勢でいると、腸腰筋や大腿筋膜張筋などが短縮して股関節が「ロック」され、骨盤の動きも制限されます。
結果、腰椎は股関節の代わりに動かざるを得なくなり、過剰なストレスがかかります。
これがデスクワーク型腰痛の大きな原因です。
股関節の固定と腰痛の関係
股関節は体重を支え、歩行や姿勢の安定に関わる重要な関節です。
しかしデスクワークでは股関節がほとんど使われず、筋肉が硬くなることで可動域が狭まります。
- 腸腰筋の硬さ:骨盤前傾や反り腰を助長
- 大腿筋膜張筋の緊張:外側荷重になり腰臀部へ負荷
- 殿筋群の機能低下:骨盤を支えられず腰に負荷
このように、股関節が動かないことによって腰は代償的に動かされ、慢性的な痛みが生まれます。
なぜストレッチだけでは改善しないのか
よくあるアドバイスとして、「腰を伸ばすストレッチをすればいい」と言われます。
もちろんストレッチも有効な手段です。
しかし、股関節が固まっていることによる腰痛なら、腰自体を伸ばしても効果は半減どころか悪化すらしてしまう恐れもあります。
重要なのは、腰ではなく股関節と骨盤の連動を回復させることです。
股関節が正しく動けば、腰椎は必要な範囲だけ動き、腰にかかる負担が大幅に減ります。
整体でのアプローチ
デスクワーク腰痛の改善には、次のステップが有効です。
1. 股関節前面のリリース
腸腰筋などの股関節の前面にある筋肉を緩め、骨盤と股関節の動きを回復させます。
これにより、腰椎が代償的に動くのを防ぎます。
2. 殿筋群の活性化
殿筋群を正しく機能させることで、骨盤が安定し腰への負担が軽減します。
この部位は積極的にストレッチするのも効果的です。
3. 骨盤・股関節の関節調整
骨盤の前後傾や左右差を整え、股関節の関節可動域を広げます。
筋肉だけでなく関節の連動性を高めることが重要です。
日常でできるセルフケア
整体と合わせて日常生活で意識できるポイントは以下です。
- 1時間に1回は立ち上がる
軽く歩いたり、股関節を回すことで固まらないようにします。 - 股関節ストレッチを取り入れる
腸腰筋や殿筋を伸ばすことで、股関節の可動域を回復します。
簡単なことですが、こまめに行うことで腰痛予防になります。
まとめ
デスクワーク型腰痛の原因の一つは、股関節が固まってしまう事にあります。
腰だけにアプローチしても再発しやすく、根本改善には骨盤・股関節・腰椎の連動を整えることと、日常生活での動作改善が重要です。
正しい習慣を身につけることで、デスクワーク型の腰痛の改善・予防に繋がります。
