夜も眠れないほど辛い五十肩の痛み、、、。
このページでは五十肩の原因や症状、放っておくとどうなるのかを解説します。更に今すぐできる効果的なセルフケアをご紹介。急性期、慢性期に合わせた方法や、お風呂で行うことで得られる効果についても説明します。
五十肩の痛みを和らげるための生活習慣の改善策や、ストレッチ以外の改善方法も紹介しているので、このページを読めば、五十肩の痛みを和らげ、快適な日常生活を送るための具体的な方法が分かります。
1. 五十肩とは?放っておくとどうなる?
五十肩とは正式には肩関節周囲炎といい、肩関節とその周辺組織に炎症が起こり、強い痛みや運動制限を引き起こす疾患です。40~50歳代に多く発症することから五十肩と呼ばれていますが、実際には30代や60代以降にも発症します。肩の痛みや動かしにくさを感じたら、年齢に関わらず五十肩の可能性も考慮することが大切です。
① 五十肩の症状
五十肩の症状は、大きく分けて痛みと運動制限の2つに分けられます。
痛みは肩関節周囲に発生し、特に夜間や安静時に強く現れる傾向があります。また、腕を特定の方向に動かした際に激痛が走ることもあります。痛みの程度は鈍痛から鋭い痛みまで個人差があります。
運動制限は、肩関節の動きが悪くなることで、腕を上げたり、後ろに回したり、服の着脱や髪を洗うといった日常生活動作が困難になることがあります。運動制限も痛みの程度と同様に個人差があります。
時期 | 症状の特徴 |
急性期(炎症期) | 安静時にも強い痛みがあり、特に夜間に痛みが増強する。肩を動かすと激痛が走る。炎症が強い時期。 |
慢性期(拘縮期) | 安静時の痛みは軽減するが、肩関節の動きが悪くなり、運動制限が強くなる。肩が固まってしまう時期。 |
回復期(回復期) | 痛みと運動制限が徐々に改善していく時期。 |
② 五十肩の原因
五十肩の明確な原因は解明されていませんが、肩関節の使い過ぎ、外傷、不良姿勢、ストレス、糖尿病などの病気が関係していると考えられています。また、肩関節周囲の筋肉や腱の炎症、滑液包炎、関節包の癒着なども原因として挙げられます。
③ 五十肩を放っておくとどうなる?
軽い症状の場合は自然に治癒することもありますが、適切な治療を行わずに放置すると、肩関節の拘縮が進行し日常生活に支障をきたすほどの運動制限が残ってしまう可能性があります。また、痛みが慢性化し、肩だけでなく首や背中の痛みにも繋がることもあります。更に、痛みのために運動不足になることで、体力や筋力の低下を招く可能性も懸念されます。そのため、少しでも肩に違和感や痛みを感じたら、早めに専門家に診てもらうことが大切です。
2. 夜も眠れない!五十肩の痛みの原因
五十肩の痛みは、特に夜間や安静時に強くなる傾向があります。その原因は、炎症による組織の腫れや、肩関節周囲の筋肉の緊張、血行不良などが考えられます。また、就寝時は日中に比べて痛みが強く感じられることが多く、睡眠に悪影響を及ぼしてしまう事も多いです。
① 痛みの種類と原因
五十肩の痛みには、様々な種類があります。ズキズキとした痛み、鈍い痛み、焼けるような痛みなど、その感じ方は人それぞれです。痛みの種類によって原因も異なってきますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
炎症による痛み
五十肩の初期段階である急性期では、炎症が強く出ているため、強い痛みを感じることが多いです。炎症によって肩関節周囲の組織が腫れ、神経を圧迫することでズキズキとした痛みが生じます。特に夜間は副交感神経が優位になり、炎症反応が増強されるため、痛みが悪化しやすい傾向があります。
筋肉の緊張による痛み
炎症が長引くと、肩関節周囲の筋肉が緊張し血行不良を引き起こします。すると、筋肉に老廃物が蓄積し、鈍い痛みや重だるさを感じることがあります。肩を動かすと痛みが強くなるため、無意識に肩を動かさずにいることで、更に筋肉が硬くなり、悪循環に陥ってしまいます。
神経の圧迫による痛み
炎症や筋肉の緊張によって肩関節周囲の神経が圧迫されると、鋭い痛みやしびれが生じることがあります。神経が圧迫されることで、夜間も痛みが増し睡眠不足に陥る場合もあります。
② 夜間に痛みが強くなる理由
五十肩の痛みが夜間に強くなるのには、いくつかの理由が考えられます。
理由 | 詳細 |
副交感神経の優位 | 夜間は副交感神経が優位になり、炎症反応が増強されやすいため、痛みが強くなります。 |
冷え | 体が冷えると血行が悪くなり、筋肉が硬くなって痛みが強くなります。 |
重力の影響軽減 | 日中は重力の影響で肩関節に負担がかかりますが、夜間は横になることで負担が軽減され、日中に感じていなかった痛みに気づきやすくなります。 |
心理的要因 | 夜間は周囲が静かになるため、痛みに意識が集中しやすくなり、痛みを強く感じてしまうことがあります。 |
これらの要因が複雑に絡み合い、夜間の痛みを増強させていると考えられます。痛みによって睡眠不足になると、さらに免疫力が低下し、炎症が悪化するという悪循環に陥る可能性もあるため、早めの対処が重要です。
3. 今すぐできる!おすすめの五十肩セルフケア
五十肩の痛みを和らげるにはストレッチや簡単な運動が効果的です。症状の時期に合わせた適切なセルフケアを行うようにしましょう。無理のない範囲で毎日続けることが大切です。
① 急性期におすすめセルフケア
急性期は痛みが強く炎症も起こっている時期です。そのため、無理に動かすと症状が悪化してしまう可能性があります。痛みの少ない範囲で、優しくゆっくりと行うようにしましょう。
腕引き運動
腕引き運動は、肩関節の可動域を広げるのに効果的です。肘を軽く曲げ、痛みの出ない範囲で前後に動かします。
振り子運動
振り子運動は、肩の筋肉をリラックスさせる効果があります。体を前かがみにし、腕を振り子のように前後に、左右に、そして円を描くように動かします。
② 慢性期におすすめのセルフケア
慢性期は痛みは軽減してきますが、肩関節の動きが制限されている状態です。肩関節の可動域を広げるストレッチを行い、徐々に動かせる範囲を広げていきましょう。無理は禁物です。
壁を使ったストレッチ
壁を使ったストレッチは、肩関節を前方へ動かす柔軟性を高めるのに効果的です。壁に手をつけ、指を壁に沿って少しずつ上へ移動させていき肩の可動域を広げていきます。
ゴムチューブを使った運動
ゴムチューブは肩のインナーマッスルを鍛えるのに効果的です。ゴムチューブを両手で持ち、胸の前で左右に引っ張ることで肩周りの筋肉を強化できます。様々なバリエーションがあるので、自分に合った方法で行いましょう。
③ お風呂で行うストレッチで効果アップ
お風呂で体を温めてからストレッチを行うと、筋肉がリラックスしやすくなり、より効果的にストレッチを行うことができます。温まったお風呂の中で、上記で紹介したセルフケアをゆっくりと行ってみましょう。
セルフケアを行う際の注意点として、痛みがある場合は無理をせず中止することが大切です。また、呼吸を止めずに自然な呼吸を続けるように心がけましょう。ストレッチは毎日続けることで効果が現れます。焦らず取り組むことが大切です。
セルフケアの種類 | 効果 | 注意点 |
腕引き運動 | 肩関節の可動域を広げる | 痛みの出ない範囲で行う |
振り子運動 | 肩の筋肉をリラックスさせる | なるべく脱力する |
壁を使ったストレッチ | 肩関節を前方へ動かす柔軟性を高める | 指を無理に上に動かさない |
ゴムチューブを使った運動 | 肩のインナーマッスルを鍛える | ゴムチューブの強度を適切に調整する |
五十肩の症状や進行度合いによって適切な運動は異なります。上記以外にも様々な方法があるので、自分の状態に合ったセルフケアを行うことが大切です。心配な場合は専門家に相談してみましょう。
4. 痛みに効く!五十肩におすすめのツボ押し
五十肩の痛みを和らげるにはツボ押しも効果的です。ご自身で簡単に押せるツボをご紹介いたしますので、ぜひ試してみてください。
① 合谷(ごうこく)
万能のツボとして知られる合谷は、手の甲側、親指と人差し指の骨の付け根の少し人差し指よりにあります。押すとズーンとした響きがあれば、そこが合谷です。五十肩だけでなく、頭痛や歯痛など様々な症状に効果があるとされています。
② 肩井(けんせい)
肩井は、肩の中央に位置するツボです。首の付け根と肩先の中間地点で、押すと強い痛みを感じる方もいるかもしれません。肩こりや首こりの改善にも効果があるとされています。
③ 天宗(てんそう)
天宗は、肩甲骨のほぼ中央に位置するツボです。肩甲骨の上角と下角を結んだ線の中央よりやや下あたりを探ってみてください。押すと響きが肩甲骨全体に広がるような感覚があれば、そこが天宗です。肩こりや背中の痛みにも効果があるとされています。
④ その他のツボ
ツボの名前 | 位置 | 効果 |
曲池(きょくち) | 肘を曲げた時にできるシワの外端 | 肩や腕の痛み、しびれを和らげる |
外関(がいかん) | 手首の背側、腕の骨と骨の間 | 肩や腕の痛み、しびれ、頭痛を和らげる |
手三里(てさんり) | 肘を曲げた時にできるシワの外端から指3本分下 | 腕の痛みやしびれ、麻痺を和らげる |
⑤ ツボ押しの注意点
ツボ押しは気持ち良いと感じる程度の強さで行ってください。強く押しすぎると逆効果になる場合もあります。
ツボ押しは毎日続けることで効果を実感しやすくなります。入浴後など、体が温まっている時に行うとより効果的です。1つのツボにつき2~3分程度を目安に優しく押してみてください。
背中であるツボなどで手が届かない場合は、市販のツボ押しグッズなどを使用するのもおすすめです。
ツボ押しと並行して、ストレッチや生活習慣の改善も行うことで、五十肩の痛みをより効果的に和らげることができます。
5. 五十肩の痛みを和らげる生活習慣
五十肩の痛みは、日常生活の様々な場面で影響を及ぼします。適切な生活習慣を心がけることで、回復を促進することができます。睡眠、入浴、食事の3つの側面から、五十肩に良い生活習慣を解説します。
① 睡眠
質の良い睡眠は体の修復を促し、痛みを軽減する効果が期待できます。五十肩の痛みで睡眠が妨げられる場合は、以下の点に注意してみましょう。
睡眠姿勢
横向きで寝る場合は、痛みのある側の肩を上にして抱き枕を抱える、もしくは痛みのある側の腕を軽く曲げて体の前に置くことで、肩への負担を軽減できます。仰向けで寝る場合は、腕の下にクッションやタオルなどを敷いて、肩関節をリラックスさせましょう。自分に合った楽な姿勢を見つけることが大切です。
睡眠環境
寝室の温度や湿度を適切に調整し、リラックスできる環境を整えましょう。寝る前にカフェインを摂取するのは避け、温かい飲み物を飲むとリラックス効果が得られます。アロマやヒーリングミュージックを聴くのも自律神経を整えるのに効果的です。
② 入浴
入浴は血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。五十肩の痛みを和らげるためには、正しい入浴方法を心がけましょう。
入浴方法
38~40度程度のぬるめのお湯に15~20分程度ゆっくりと浸かりましょう。熱いお湯は交感神経を刺激し、筋肉の緊張を高めてしまう可能性があります。シャワーで済ませずに湯船に浸かることで、全身の血行が促進されより効果的です。入浴剤を使用する場合は、血行促進効果のある炭酸ガス入浴剤がおすすめです。
入浴後のケア
入浴後は体が温まっているうちにストレッチを行うと効果的です。ただし、痛みがある場合は無理に行わず痛みのない範囲で行いましょう。
③ 食事
バランスの良い食事は、健康な体を維持するために不可欠です。五十肩の痛みを和らげるためには、以下の栄養素を積極的に摂るように心がけましょう。
栄養素 | 効果 | 多く含まれる食品 |
タンパク質 | 筋肉や腱の修復を助ける | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
ビタミンC | コラーゲンの生成を促進し、炎症を抑える | 柑橘類、緑黄色野菜、いちご |
ビタミンE | 血行を促進し、肩の痛みを和らげる | アボカド、かぼちゃ |
オメガ3脂肪酸 | 抗炎症作用があり、痛みを軽減する | 魚から摂るのがおすすめ |
水分をこまめに摂取することも大切です。水分不足は血行不良を招き、回復が遅くなる傾向があります。1日に1.5~2リットル程度の水分をこまめに摂取するようにしましょう。また、アルコールやカフェインの過剰摂取は、痛みを悪化させる場合があるため、控えるようにしましょう。加工食品やインスタント食品に含まれる添加物も炎症を促進する可能性があるため、できるだけ避けるのが大切です。
6. 五十肩の治療法
五十肩の治療は、痛みの軽減、関節可動域の改善、日常生活への復帰を目標に行われます。症状や進行度によって適切な治療法が選択されるため、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。
① 治療はどこにいけばいい?
五十肩の治療は整形外科を受診するのが一般的です。また整体院や鍼灸院で対応しているところもあります。
五十肩に対する専門的な知識があるところで治療することが大切です。
② 五十肩の治療の種類
五十肩の治療法は大きく分けて保存療法と手術療法があります。多くの場合、まずは保存療法が行われます。
保存療法
保存療法は、痛みや炎症を抑え、肩関節の動きを改善することを目的としています。主な方法には以下のものがあります。
治療法 | 内容 |
薬物療法 | 痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤、湿布などが処方されます。 |
注射療法 | 炎症や痛みを抑えるために、ステロイド注射やヒアルロン酸注射などが行われることがあります。 |
リハビリテーション | 肩関節の可動域を広げ、筋力をつけるための運動療法や物理療法(温熱療法、電気療法など)を行います。 |
手術療法
保存療法で効果が得られない場合や、関節が癒着している場合などには、手術療法が検討されることがあります。手術療法には、関節鏡手術などがあります。関節鏡手術は、小さな切開部からカメラと器具を挿入し、関節内の癒着を剥離したり、炎症を起こしている組織を切除したりする手術です。
7. ストレッチ以外の五十肩改善方法
五十肩の痛みを和らげるには、ストレッチ以外にも様々な方法があります。
それぞれの方法の特徴を理解し、症状に合わせて適切な方法を選びましょう。
① 温熱療法
温熱療法は患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。家庭で手軽に行える方法としては、蒸しタオルや入浴などがあります。
② 冷却療法
急性期で炎症が強い場合は、冷却療法が有効です。炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。氷水を入れたビニール袋などをタオルで包み、患部に15~20分程度当てましょう。凍傷を防ぐため、直接肌に当てないように注意してください。
③ 薬物療法
痛みが強い場合は、医師の指示のもと薬物療法を行うこともあります。痛み止めや炎症を抑える薬など、様々な種類の薬があります。
種類 | 効果 |
鎮痛剤 | 痛みを軽減する |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) | 炎症と痛みを抑える |
自己判断で薬を使用せず、必ず医師に相談しましょう。
④ 注射療法
五十肩の痛みが強い場合、注射療法を行うこともあります。ステロイド注射やヒアルロン酸注射などがあります。
⑤ 日常生活での注意点
日常生活においても、五十肩の痛みを悪化させないための工夫が必要です。肩に負荷をかけない体の使い方をする、重いものを持たない、患部を安静にしすぎないなど、日常生活の中で気を付けることで、症状の悪化を防ぎ回復を早めることができます。
⑥ その他
上記以外にも、超音波療法や低周波療法などの物理療法、整体、鍼灸などが、五十肩の改善に役立ちます。これらの方法は、専門家による施術が必要となるため、自分に合った治療法を選択するために、医師や専門家と相談することが大切です。
8. まとめ
この記事では、五十肩の原因や症状、そして何よりもつらい痛みを和らげるための具体的な方法をご紹介しました。
特に今すぐできるセルフケアは手軽に取り組めるのでおすすめです。急性期には腕引き運動や振り子運動で炎症をコントロールし、慢性期には壁やゴムチューブを使ったストレッチで積極的に可動域を広げましょう。
ツボ押しも血行促進や痛みの緩和が期待できます。更に睡眠や入浴、食事といった日常生活の改善も大切です。
五十肩の痛みが強い場合や長引く場合は、専門家への相談も検討しましょう。
この記事が、少しでもあなたの五十肩改善の参考になれば幸いです。